「暑くて寝つけない」「夜中に何度も目が覚める」「朝起きても疲れが残っている」——夏の寝苦しさに悩んでいませんか?
管理栄養士のnaoです。夏の睡眠不足は、エアコンや寝具だけの問題ではありません。実は「何を、いつ食べるか」で睡眠の質は変わります。今回は40代の夏の睡眠を食事から整える方法をご紹介します。
なぜ夏は眠りが浅くなるの?
人は深部体温(体の内側の温度)が下がるときに眠くなる仕組みになっています。ところが夏は気温が高く、体温がうまく下がらないため寝つきが悪くなります。
さらに40代は、女性ホルモンの変化によってもともと睡眠が不安定になりやすい年代。そこに夏の暑さ・冷房・汗による水分不足が重なり、「寝ても疲れが取れない」状態が起こります。
睡眠の質を上げる栄養素
睡眠には「トリプトファン→セロトニン→メラトニン」という流れが関わっています。トリプトファンという必須アミノ酸が、日中に幸せホルモン「セロトニン」になり、夜には睡眠ホルモン「メラトニン」に変わる——この材料を食事でそろえることが大切です。
- トリプトファン:メラトニンの材料。大豆製品・乳製品・卵・バナナ・ナッツ
- ビタミンB6:トリプトファンの変換を助ける。かつお・まぐろ・鶏肉・バナナ
- グリシン:深部体温を下げて寝つきをサポート。えび・ほたて・魚介類
- マグネシウム:神経の高ぶりを鎮める。海藻・ナッツ・豆腐
- 鉄分:不足すると眠りが浅くなる。赤身肉・レバー・小松菜
ポイントは、トリプトファンは朝にとると効果的だということ。朝食で材料をとると、夜にちょうどメラトニンが働きはじめます。「夜眠るための準備は朝から」——これが管理栄養士としていちばん伝えたいことです。
夏の快眠のための食事ルール5つ
①朝食にたんぱく質をとる
納豆・卵・ヨーグルト・豆腐など、朝にトリプトファンを含む食品を。夏は朝食を抜きがちですが、朝食は「その日の夜の睡眠」への投資です。バナナ+ヨーグルトだけでも十分効果があります。
②夕食は就寝の3時間前までに
食べてすぐ寝ると、消化のために内臓が働き続け、深部体温が下がらず眠りが浅くなります。遅くなる日は、消化のいいもの(うどん・豆腐・スープ)を少量にしましょう。
③夕食は「温かいもの」を一品入れる
夏は冷たいものばかりになりがちですが、一度体を温めると、その後の体温低下がスムーズになり寝つきが良くなります。冷房で冷えた体を整える意味でも、温かい味噌汁やスープを添えるのがおすすめです。
④カフェインは夕方以降ひかえる
カフェインの影響は4〜6時間続くといわれます。夕方以降のコーヒー・緑茶・エナジードリンクは避け、麦茶やルイボスティーなどノンカフェインに切り替えましょう。
⑤寝酒は逆効果
お酒を飲むと寝つきは良くなりますが、アルコールが分解される過程で眠りが浅くなり、夜中に目が覚めやすくなります。さらに利尿作用で脱水も進みます。夏こそ寝酒は控えめに。
快眠をサポートする作り置き2品
豆腐とわかめのねばねば和え【トリプトファン・マグネシウム】
豆腐のトリプトファンと、わかめ・オクラのマグネシウム。火を使わず作れて、夏の夕食の一品にぴったりです。
材料(2人分)
- 木綿豆腐 1/2丁
- 乾燥わかめ 大さじ1
- オクラ 4本
- しょうゆ 小さじ2
- ごま油 小さじ1
- 白ごま 適量
作り方
- わかめは水で戻し、オクラは下ゆでして小口切りにする。
- 水切りした豆腐を崩し、しょうゆ・ごま油・白ごまと和える。
- 冷蔵で2日保存可能。
えびとブロッコリーのガーリック蒸し【グリシン・ビタミンB6】
えびのグリシンが深部体温を下げ、寝つきをサポート。高たんぱく・低脂質で、40代のダイエット中にも嬉しい一品です。
材料(2人分)
- えび 150g
- ブロッコリー 1/2株
- にんにく 1片
- オリーブオイル 大さじ1
- 塩・こしょう 少々
作り方
- えびは背わたを取り、ブロッコリーは小房に分ける。
- フライパンに刻んだにんにくとオリーブオイルを熱し、えび・ブロッコリーを入れてフタをして蒸し焼きに。えびの中心まで火を通す。
- 塩こしょうで味を調える。冷蔵で2〜3日保存可能。
管理栄養士の快眠・栄養豆知識
豆知識①:朝日を浴びると夜のメラトニンが増える
朝食+朝日のセットが最強です。朝に光を浴びるとセロトニンが活性化し、その約14〜16時間後にメラトニンが分泌されます。朝7時に起きて光を浴びれば、夜9〜11時頃に自然な眠気がやってきます。
豆知識②:寝る前の水分は「コップ1杯」
夏は寝ている間にコップ1〜2杯分の汗をかきます。脱水は夜中の目覚めの原因になるので、就寝前にコップ1杯の水を。飲みすぎるとトイレで起きてしまうので、量はほどほどに。
豆知識③:夕食の糖質を抜くと、かえって太りやすくなる
ダイエットで夕食の炭水化物を抜くと、夜中に血糖値が下がりすぎて目が覚めることがあります。管理栄養士として私が「夕食の糖質は少量でも必ずとってください」とお伝えしているのは、まさにこの理由からです。
さらに見逃せないのが、睡眠不足そのものが過食の原因になること。眠りが足りないと、食欲を増やすホルモン「グレリン」が増え、食欲を抑えるホルモン「レプチン」が減ります。その結果、翌日に甘いものや高カロリーなものが欲しくなるのです。
つまり「夕食の糖質を我慢する→眠れない→翌日食べすぎる」という悪循環に陥りがち。夕食のごはんを軽くでもとって、ぐっすり眠るほうが、結果的にダイエットは成功します。糖質は睡眠にとって必須だと考えてください。
まとめ
- 眠りは深部体温が下がるときに訪れる。夏は下がりにくいので工夫が必要
- 朝食のたんぱく質が、夜の睡眠ホルモンの材料になる
- 夕食は就寝3時間前まで。温かい一品を添えると寝つきが良くなる
- 夕方以降のカフェイン・寝酒はひかえる
- 夕食の糖質は少量でも必ずとる。睡眠不足は過食を招き、ダイエットの妨げに
睡眠は「夜どうするか」よりも、朝から一日かけて準備するもの。食事を整えれば、暑い夏でも眠りの質は変わります。ぐっすり眠って、夏の疲れをためない毎日を送りましょう。
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トリプトファンとマグネシウムを手軽に補えるナッツは、快眠をサポートする間食にもおすすめです。無塩・無添加のものを選ぶと、毎日でも安心して続けられます。

